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ミドル層の空洞化が進む中小企業

ミドル層の空洞化が進む中小企業

経営サイクルを上手く回して経営資源をフル活用するためには、その企業の社長(経営者)と社員(従業員)の活躍は必至ですが、これがなかなかうまくいきません。
社長と社員のギャップは企業経営の永遠の課題でもあります。立場の違いによる志向性が違うので、おそらく永遠に分かり合えないでしょう。

企業組織をピラミッドの階層に例えると大きく3つに分かれます。
  • ① トップ層(社長、会長)
    可能性切り拓こうとするwant志向=ビジョン型(未来形)
  • ② ミドル層(経営幹部・管理職)
    今の達成に使命感をもつcomplete志向=実現型(現在形)
  • ③ ボトム層(一般社員、パート・アルバイト)
    過去に出来たことを繰り返そうとするcan志向=実行型(過去形)

組織のピラミッドでは、それぞれの立場の違いから、志向性の違いが生まれ、それぞれ別々の役割を担っています。 経営の全責任を負う立場のトップは、常に未来の可能性を模索し、企業を成長・存続させようとする志向になります。
反対に、上司の指示命令の実行責任を負う立場のボトムは、常に過去と比較して実行の進捗度や難易度を測ろうとする志向になります。
この相反する両者の橋渡し役になるのが、ミドルであり、トップの意向を咀嚼してボトムを指揮し、ボトムの状況や現場の課題をトップに上げるなどして、経営目標の達成を実現しようとする志向になります。
中小企業の組織規模は大きくないので、トップの現場支配が強い上に、人員の代替性が低く競争原理が働かないボトムは扱いが難しいので、ミドルは難しい対応を迫られます。
中小企業のミドル層はビジネススキルだけでなく、ハイレベルなヒューマンスキルも同時に求められるのです。

しかし、多くの中小企業では、ミドル層の人材が思考停止に陥り、ミドル層から脱落していっています。
トップの現場支配に屈服し、ボトム層の反発からくる現場での孤立を恐れるからです。
つまり、中小企業の組織ピラミッドでは慢性的にミドル層が空洞化しているのです。

※志向とは: 意識が一定の対象に向かうこと。考えや気持ちがある方向を目指すこと。

現場で社員を孤独にしてはいけない。協力による成功体験がミドル人材を育成する。

ミドルアップマネジメントの3つフレームワーク

人材育成は本当に難しいものです。何をどうすれば、ヒトの何がどうなる?という因果関係が解明されていないからです。
人材育成の成功事例はたくさんありますが、他人にも同じことをすれば同じように成長するという再現性は確認されていません。

そこで当社はこれまでの支援実績で得たノウハウをもとに、再現性と実効性に着目して、ミドル層の人材が果たすべき役割を補完する戦略理論として「ミドルアップマネジメント」を提唱しています。
有能なミドル人材がいなくても、その役割を代替する仕組みづくりと運営手法を説くものです。
ミドルアップマネジメントの実践は、まず3つのフレームワークを具体的に構築していくことからから始まります。
フレームワーク構築の狙いは、仕組みで補完して、組織のミドル機能をアップすることですが、同時に、ボトム層の社員をミドル層へ引上げる狙いもあります。
そのために、社員同士のサポート体制や業務上のアドバイスが適切に行われるようにする訓練ワークショップ、定着モニタリング、改善委員会の組成などを行います。
ミドルアップマネジメントによって、ビジネスの現場で社員同士が協力し合い、成功体験を得ることが出来るようになります。  大切なことは社員一人一人を現場で孤独にしないこと、仕事を明確にすること、適正に評価すること、成功を認めることなのです。 仕事のやりがいや会社へのロイヤリティはそこから生まれます。

ミドルアップマネジメントの3つフレームワーク
  • ① 認識・共有 ― 自社のビジネスを明確にする
    ビジョン、企業理念、コーポレートアイデンティティ、経営戦略、活動方針、行動指針など
  • ②設定・定義 ― 仕事と情報の流れを定義する
    明確な目的と目標、業務範囲、手順、ルール、責任と権限など
  • ③要求・計測 ― 社員に求める成果と負荷を計測する
    経営戦略に紐づけされた数値目標と行動KPI、公正な評価と待遇など

① 認識・共有フレームワークでは、“我が社”そのものを確認します。
多くの企業では、経営ビジョンや理念、社訓などが社内に掲示されています。
しかし、これは振返られることも、理解浸透されることもなく、ただ単に立派な額縁で飾られた“文字”として社内の風景に溶け込んでいるだけというのが実情です。
単なるモットーや目標確認ではなく、多角的に自社認識を再確認し、管理職以下クラスの社員が自分の言葉で“我が社”を語れるレベルまで具体化と浸透を徹底して、階層別に「経営」に参画します。

② 設定・定義フレームワークでは、“我が社の仕事と情報”を明確にします。
ムリ・ムダ・ムラという言葉に代表される生産性向上の阻害要因は、曖昧な仕事と情報が無秩序に交錯している状態なのです。社員一人一人の成功体験を再現させるためにも、社員の意識や心を操作しようとするのではなく、行動を制御することで、普通にやれば勝てる仕事と情報の流れを構築します。

③ 要求・計測のフレームワークでは、“我が社のパフォーマンス”を評価します。
社員を大切にしたい企業ほど「社員のがんばり」に過度な期待や依存をしてしまうものです。
しかし、個人の裁量で仕事の成果を上げ続けることを強いられる成果主義が日本企業で定着しなかったのは、社員個人の努力だけでは事業の成功にならないことを学んだからです。
『機転利かせて工夫する、目標を理解してがんばって成果をあげる。』これほど実現性が曖昧で再現性のない事はありません。経営トップに評価される成果・行動を明確にし、社員の行動と成果が評価される仕組みを構築します。

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